-マユミの孤独-

首都圏一帯に蔓延した大量の偽札は、日本経済に深刻な打撃を与えていた。

威信をかけた警察の捜査も、進展のないまま被害は拡大の一途を辿っていく。

モンタージュ写真の女を追って、日夜捜査に奔走するベテラン刑事松村と

新米の相沢。


ある日、捜査中の2人は路上で激しい激突音を耳にする。駆け寄ると、黒い車が

猛スピードで逃走していくのが見えた。現場には、年老いた男が血を流して倒れて

いる。そして、その様子を遠くから見つめている白い日傘の女。相沢は目撃証言を

得ようと、その女のあとを追った。

蝉時雨の降り注ぐ公園でようやく追いついた相沢は、警察手帳を示した。日傘を

上げ顔を覗かせる女。その瞬間、相沢の全身に衝撃が走った。女の視線に見入られた

ように動けなくなる相沢。女は謎めいた笑みを残し、やがて静かに立ち去って行く

のだった。心奪われた相沢は呆然と後姿を見送ることしか出来なかった。


そんな中、偽札使用の実行犯が突然逮捕される。執拗な取り調べの末、実行犯が

口にした主犯の名は あまりにも意外な人物のものだった。愕然とする刑事たち。

捜査は新たな局面を迎え、急展開をみせてゆく。

しかし捜査が進むに連れ、相沢の疑念は次第に増していくことになる。あの日傘の

女は、やはり偽札事件と何か関係があるのではないか……。

相沢は、そのことを確かめるべく単独行動をとり始めるのだった。


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